2013年3月2日土曜日

「はじめての日本神話」を読む(2)

坂本勝著「はじめての日本神話: 『古事記』を読みとく (ちくまプリマー新書)」より

前回は27ページでしたが、死んだ女神イナザミを追いかけて男神イザナギは黄泉の国(よみのくに)へ行くのですが、そこでトラブルがあって、逃げてくるわけですが、女神イナザミを女、男神イザナギを男と表現しているのは少々乱暴な気もします。

「黄泉つ平坂」は「黄泉比良坂(よもつひらさか)」、「イフヤ坂」は「伊賦夜坂(いぶやざか)」らしい。

この文章では同じ坂にふたつの名前があるように思えるが、島根県八束郡東出雲町揖屋にある比良坂(平坂)と伊賦夜坂の地図では、場所によって名称が異なるようだ。この地図の中にある「揖屋」や「揖夜」は「いや」と読むらしい。

 

http://fish.miracle.ne.jp/cl-miura/yomi%20ana.htmより

さて、「筑紫の日向(ひむか)の橘」は地元なので、解りやすい。

神事の時に奏上される次の祓詞(はらえことば)は知っている人も多いでしょう。

掛けまくも畏き 伊邪那岐の大神

筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に

禊ぎ祓へ給ひし時に 生り坐せる祓へ戸の大神たち

諸々の禍事 罪 穢れあらむをば

祓へ給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと

恐み恐みも白す

「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」は現在の宮崎県宮崎市阿波岐原町の周辺でしょう。

 
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ちなみに、阿波岐原森林公園 市民の森の中に「みそぎ池(御池)」があります。男神イザナギが、亡くなった女神イザナミを追って行った黄泉の国の穢れを祓うために、みそぎを行った場所と伝えらています。

宮崎市観光協会より

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