5月16日に鳥獣害対策の研修がありました。講師は
井上雅央氏。
我が家では今のところ鳥獣害はあまりなく、猫害が少しある程度ですが、以前より井上氏のお話を聞いてみたいと思っており、せっかく地元で開かれる研修会でしたので、参加してきました。
久々に目から鱗が落ちる研修でしたね。
近年、鳥獣による農作物への被害が増えていますが、井上氏はその原因を「集落への餌付けが進行しただけ」と断言する。原因を理解せずに、苦労して対策を始めても効果が上がらないどころか逆効果になることが多いようだ。
野生動物の餌には2種類あって、ひとつは、それを食べられると困る餌(人間側から言えば農作物)、もうひとつは、それを食べられても困らない餌(人間側から言えば農作物以外)があるけれど、動物はどちらも同じ餌としか認識しない。
農作物は一生懸命守ろうとするが、それ以外を放置しておけば動物の餌は豊富であり、結果的に餌付けをしていることになるのであろう。
氏は多くの例を挙げて説明されたが、例えば、イネの収穫後のひこばえ、白菜収穫後の外葉、道路の法面の草を10月に刈ると冬に柔らかくて美味しい草が出る等、知らず知らずのうちに野生動物の餌付けをしているわけだ。
対策として防護ネットや電柵が使われているが、正しい使い方をしないと、ネットのあるところにには餌があると学習させてしまい、防ぐどころか逆に餌付けをしてしまうことになると言うから難しい。
対策の順序として、氏は(1)みんなで勉強(2)守れる畑、守れる集落づくり(3)個人や集落での囲いや追い払い(4コストや特殊技術を要する対策、の4段階を挙げている。
とくに(1)と(2)が重要であり、これなくして(3)や(4)に取り組んでも逆効果になることが多いと言う。
座学は1時間で、その後現地で実際に設置されている防護柵を見ながらの研修に移りました。
まずは1箇所目
手前が道路、ネットの向こう側がほ場です。
ネットは市中の(外側)手前側に張らないといけない。
動物はネットを押してほ場の中に入ろうとするが、支柱の内側にネットを張っていると支柱の上部に力がかかり、支柱が倒れやすい。支柱の外側に張っておけば、力が支柱の下部にかかるので支柱が倒れにくい。
ひし形が横に長くなっているので、ネットが横に引っ張られているのがわかる。ひし形が縦に長くなるように、ゆったりと張った方がよい。
ネットを横に張りすぎるとこのようにネットの下が浮いてしまう。ここから動物が侵入することは容易である。
侵入を許すネットの張り方をすると、野生動物はネットのところに行けば餌が食べられるとの学習してしまい。餌付けしてしまう。
(
次へ)